肩関節脱臼

肩関節脱臼

肩関節脱臼とは、上腕骨が肩甲骨の関節窩から外れてしまう状態を指します。

肩関節は人体で最も可動域が大きく、多くの筋肉や靭帯で支えられていますが、外力が加わることで脱臼が起こることがあります。

肩関節脱臼は、スポーツなどでの外傷、転倒、交通事故などによって発生することが多く、肩の激しい痛みや腫れ、可動域制限などの症状が現れます。

また、神経や血管などを圧迫することで、手のしびれや脈拍の低下などの合併症を引き起こすこともあります。

肩関節脱臼は、一度脱臼した後に再び脱臼する可能性が高いため、早期の診断と治療が重要です。

治療には、肩を固定するためのスリングやギプス、物理療法や筋力トレーニング、または手術による再建治療が行われることがあります。

リハビリテーションによる筋力トレーニングや可動域の回復などのケアが必要となります。

症状

肩関節脱臼の主な症状は以下のとおりです。

激しい痛み

肩関節が脱臼すると、激しい痛みが生じます。
肩の周りに痛みが広がることがあります。

腫れ

肩関節脱臼の場合、肩が腫れ上がることがあります。
腫れは、脱臼した肩よりも大きくなることが多いです。

可動域制限

肩関節脱臼を起こすと、肩が動かせなくなることがあります。
肩を動かそうとすると痛みが生じるため、肩が自由に動かせない状態になります。

異常感

肩が脱臼した場合、肩の形が普段と異なって見えることがあります。
また、肩が異常に柔らかくなっていると感じることがあります。

手のしびれ

肩関節脱臼によって、神経が圧迫されることがあります。
この場合、手や指のしびれや痺れを感じることがあります。

脈拍の低下

肩関節脱臼によって、血管が圧迫されることがあります。
この場合、手の脈拍が低下することがあります。

これらの症状がある場合は、早期の診断と治療が必要です。

診断

肩関節脱臼の診断は、以下のような方法で行われます。

身体検査

医師が患者の肩を触診し、痛みや腫れ、可動域の制限などを確認します。また、肩の形が変形しているかどうかも確認します。

X線検査

肩関節のX線検査によって、肩の骨や関節の状態を確認します。
また、肩関節が脱臼しているかどうかも確認できます。

MRI検査

MRI検査によって、肩の軟部組織(靭帯や筋肉)の損傷の程度を確認することができます。

肩関節脱臼の診断には、以上のような検査が必要です。

診断が確定した場合は、治療方針を決定し、適切な治療を行います。

治療

肩関節脱臼の治療は、以下のような方法があります。

再位置法

再位置法は、肩関節を元の位置に戻す方法です。
医師が患者の肩を固定し、軽く引っ張ることで肩関節を元の位置に戻します。
この方法は、肩関節脱臼の初期段階で有効です。

固定

肩関節脱臼後、肩をサポートするためにスリングなどの装具を使用することがあります。
これにより、肩を安定化させ、治癒を促進します。

痛みの管理

痛みを和らげるために、鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを使用することがあります。

理学療法

理学療法は、肩関節の可動域を回復させるために、ストレッチや筋力トレーニング、電気療法などを行うことがあります。

肩関節脱臼の治療には、患者の症状や状態に応じた適切な方法が選択されます。

早期の治療が重要です。

リハビリテーション

肩関節脱臼のリハビリテーションは、治療後の回復を促進するために必要なものであり、主に以下のような内容が含まれます。

運動療法

リハビリテーションの初期段階では、軽いストレッチや範囲運動などを行い、肩関節周囲の筋肉を強化し、可動域を回復させます。
その後、筋力トレーニングを行い、肩関節の安定性を向上させます。

電気療法

電気療法は、痛みの緩和や筋肉の強化に役立ちます。
一般的に、超音波療法、電気刺激療法、熱療法、氷療法などが使用されます。

機能トレーニング

患者が日常生活やスポーツ活動を再開するために必要な、肩関節の正しい動きや姿勢を学びます。

転倒予防トレーニング

患者が日常生活やスポーツ活動を再開するために必要な、肩関節の正しい動きや姿勢を学びます。

転倒予防トレーニング

肩関節脱臼の再発を防ぐために、患者はバランスやコントロール能力の向上を目指したトレーニングを行います。

リハビリテーションの期間は、患者の状態や治療方法によって異なります。

リハビリテーションの適切な期間を決定するには、医師や理学療法士と相談することが重要です。